社宅・住居の手配

外国人社員の社宅・住居手配|特定技能・技能実習の条件

外国人社員の社宅を手配する人事・総務向け。法人契約と本人契約の違い、特定技能1号の居室7.5㎡と例外、技能実習の寝室4.5㎡・設備、育成就労の施行前情報、保証会社と必要書類を整理します。

対象:育成就労(運用開始前の準備情報)/技能実習・特定技能

最初に整理すること

契約者・入居者・支払者を決めたら、在留資格に応じて面積と設備を確認します。特定技能1号は原則として居室1人7.5㎡以上、技能実習は使用できない部分を除く寝室1人4.5㎡以上が基準です。数える範囲と例外が異なるため、物件の広告にある面積だけで判断せず、図面・人数・契約条件をそろえます。

1. 契約者と実際の入居者を整理する

会社が借りる法人契約か、本人が借りる本人契約かを整理します。契約者だけでなく、家賃の支払者、実際の入居者、手続きを進める担当者も分けて書き出してください。

法人契約なら誰でも入居できる、本人契約なら企業側の対応は不要、と決めつけず、候補物件ごとの条件を確認します。必要な支援の範囲は在留資格や支援計画でも確認します。

どちらの契約方法でも、物件ごとの入居条件と必要な支援を照合します。次の表は、契約方法を決める際に担当者が整理する作業の比較です。

表は横にスクロールできます。

法人契約と本人契約で整理する作業
項目法人契約を希望する場合本人契約を希望する場合
申込み前会社が借主になる希望と、実際に住む人・人数を伝える本人が借主になる希望と、会社が手伝う手続きの範囲を伝える
必要書類会社と入居者のそれぞれについて、求められる資料と提出期限を聞く本人の確認資料・勤務や収入の資料など、求められるものを聞く
家賃の支払い会社から貸主等への支払いと、本人への費用説明を分けて整理する支払方法と開始日を確認し、会社の補助や立替えの有無を整理する
入居者の変更入替え・同居人数変更の連絡方法と条件を確認する同居・転居・解約を予定した場合の連絡方法を確認する
窓口社内の契約担当と入居後の連絡担当を決める本人と連絡を取る窓口、会社が対応を引き継ぐ条件を決める
  • 契約者・入居者・支払者・手続担当を記録する

参考:国土交通省|外国人の民間賃貸住宅への円滑な入居について国土交通省|賃貸住宅標準契約書

2. 制度別の住居条件を先に照合する

物件の候補を探す前に、対象者の在留資格、入居人数、寝室の使い方を整理します。不動産会社には法人利用や実際の入居者、通勤、入居予定日を伝え、図面と設備の情報を受け取ります。

下表は面積条件を確認する入口です。特定技能1号の「居室」と技能実習・育成就労の「寝室」は同じ範囲ではありません。設備、安全、衛生、日本人との同等の処遇なども別に確認します。

表は横にスクロールできます。

制度ごとの面積の確認対象(2026年9月13日確認)
対象制度基本となる面積適用上の注意
特定技能1号居室1人当たり7.5㎡以上ロフトは含めない。技能実習2号等から移行し、確保済み住居への居住を希望する場合等には例外あり。次の項目で条件を確認。
技能実習使用できない部分を除いた寝室1人当たり4.5㎡以上床の間・押入等は除外。旧制度から使用する施設の特例は事前相談が必要。
育成就労(2027年4月1日運用開始)使用できない部分を除いた寝室1人当たり4.5㎡以上施行前の準備情報。2026年8月改正版で設備・書類・既存施設の取扱いを確認。
  • 図面に対象となる部屋・寸法・使用できない部分を記し、入居人数をそろえる
  • 相部屋の希望、就眠時間、収納、設備、通勤経路を本人と確認する
  • 制度上の例外を使う場合は、対象者・施設の履歴と確認先の回答を残す

参考:出入国在留管理庁|1号特定技能外国人支援に関する運用要領(別冊)第3章・住居と生活契約の支援(14〜17ページ)外国人技能実習機構|技能実習制度運用要領 第4章(2026年4月1日改正版)外国人技能実習機構|育成就労制度運用要領 第4章(2026年8月5日改正版)

3. 特定技能1号の住居条件と7.5㎡の例外

特定技能1号では、本人の希望を踏まえ、本人が借りる住居の手配を支援する方法、所属機関等が借りた住居を合意の上で提供する方法、所属機関の社宅を合意の上で提供する方法があります。本人契約でも、適切な住居を確保するための支援が必要です。

原則の7.5㎡は1人当たりの居室面積です。相部屋の場合は居室全体の面積を居住人数で割って確認します。運用要領の居室は建築基準法上の居室を指し、ロフトは含みません。物件の専有面積をそのまま割る計算ではなく、図面上の対象範囲を確認してください。

例外は、技能実習2号等から特定技能1号へ変更する場合等で、在留資格変更許可申請または在留資格認定証明書交付申請の時点で所属機関が既に確保している社宅等に、本人が居住を希望する場合です。この場合も寝室1人当たり4.5㎡以上が必要です。一度帰国した後も、技能実習時の社宅等が生活の本拠として継続し、本人が引き続き住むことを希望する場合の取扱いが示されています。技能実習の経験があるだけで、すべての物件に例外を使えるわけではありません。

同等の業務を行う日本人との住居の待遇も確認します。日本人に提供する社宅や部屋の広さとの比較を含め、面積の最低条件だけで手配を終えないようにします。既に適切な住居があり支援が明らかに不要な場合と、退去などで新たな住居確保が必要な場合も分けて記録します。

参考:出入国在留管理庁|1号特定技能外国人支援に関する運用要領(別冊)第3章・住居と生活契約の支援(14〜17ページ)

4. 技能実習生の寝室4.5㎡と設備の確認

技能実習では、床の間・押入など実際に使えない部分を除いた寝室を、1人当たり4.5㎡以上確保します。見取り図には対象範囲と寸法・計算根拠を示します。面積の数字だけを記載するより、どの部分を何人で使うのかを確認できる形にしましょう。

収納は原則として個人別で、鍵を掛けられ、持ち出せないものが必要です。個人別に施錠できる部屋の場合は除かれます。私物のスーツケースや、単に人数分に分けた収納箱で代用せず、実習実施者が用意する設備と鍵の管理方法を確認します。

技能実習法施行前の旧制度から使用している宿泊施設には、寝室以外の私有スペースなどを踏まえて認められる余地があります。ただし、新たに借りる物件全般の緩和ではありません。利用する場合は機構の地方事務所・支所の認定課へ事前相談し、参考様式第1-16号の特記事項と必要な資料で説明します。

  • 立地の危険、避難階段・避難器具、消火設備を確認する。必要な措置は階数・人数等で異なる
  • 寝室の窓の有効採光面積が室面積の7分の1以上あるか、生活に必要な採暖・冷房設備があるか確認する
  • 就眠時間が異なる2組以上がいる場合は、寝室を分ける
  • 炊事場、トイレ・洗面・洗濯・入浴の設備と衛生、プライバシーを確認する
  • 事業の附属寄宿舎に当たる場合は寄宿舎規則の届出等も確認し、判断に疑義があれば管轄の労働基準監督署へ相談する

参考:外国人技能実習機構|技能実習制度運用要領 第4章(2026年4月1日改正版)・108〜111ページ

5. 育成就労の住居準備は施行前資料で確認する

育成就労は2027年4月1日の運用開始に向けた準備情報です。2026年8月5日改正版の運用要領では、使用できない部分を除く寝室1人当たり4.5㎡以上に加え、収納、採光、冷暖房、避難・消火、衛生設備などが示されています。技能実習で使っている住居でも、育成就労の資料に沿って照合します。

技能実習法施行前から使われている施設を引き続き使う場合の例外には、私有スペースの確保や機構への事前相談などの条件があります。運用状況を踏まえた見直しの検討も記載されているため、例外を前提に新しい物件を選ばず、通常の寝室条件を満たす候補から検討します。

住居を確保する時期、本人への説明、見取り図の添付、住居変更時の届出も確認します。書類は育成就労の雇用契約書・雇用条件書(参考様式第1-2号)と、報酬・宿泊施設・徴収費用についての説明書(参考様式第1-15号)を照合し、技能実習の様式番号をそのまま使わないようにします。

参考:外国人技能実習機構|育成就労制度運用要領 第4章(2026年8月5日改正版)・4-92〜4-95ページ

6. 保証会社・連帯保証人と必要書類を確認する

保証会社の利用や連帯保証人の要否は、不動産会社に物件ごとに確認します。保証料、更新料、審査に必要な書類、対応言語、連絡先の条件をまとめて聞き、手配にかかる時間も見込みます。

緊急連絡先と保証人は、同じ役割として扱わず、それぞれ誰が何を求められるのかを確認してください。書類を提出する際は、提出先と必要な範囲を確かめてから準備します。

審査書類は、物件や保証会社から指定されたものを確認して準備します。国土交通省のチェックシートには本人確認、勤務先、収入等の資料例がありますが、すべてを一律に集めるのではなく、提出先が必要とする範囲を確かめてください。

特定技能1号の本人契約で連帯保証人が必要なのに適当な人がいない場合は、所属機関等が保証人になるか、利用できる家賃債務保証業者を確保して所属機関等が緊急連絡先となる支援が必要です。保証業者を利用する場合の保証料は所属機関等の負担として確認します。

  • 保証料と更新時の費用を見積に含める
  • 審査書類と提出期限を確認する
  • 書類名ごとに、用意する人・提出先・提出期限を記録する
  • 保証料は初回・更新時・毎月など、発生する時期を確認する
  • 対応言語と、審査や入居後の連絡方法を確認する
  • 緊急連絡先と連帯保証人について、求められる役割と条件を別々に確認する

参考:国土交通省|入居審査必要書類チェックシート国土交通省|外国人の民間賃貸住宅への円滑な入居について国土交通省|外国人の言語対応サポートを行う登録家賃債務保証業者一覧出入国在留管理庁|1号特定技能外国人支援に関する運用要領(別冊)第3章・住居と生活契約の支援(14〜17ページ)

7. 見積と契約条件を一緒に確認する

家賃だけで比較せず、初期費用、毎月の費用、更新時の費用を並べます。退去や解約の申し入れ期限、途中解約の条件、退去時の精算についても、契約前に不明点を解消しましょう。

国土交通省の標準契約書は、保証会社型と連帯保証人型の確認に使えるモデルです。必須の書式ではないため、実際に提示された契約書の内容を貸主・管理会社へ確認します。

8. 決定内容を本人と関係者へ共有する

契約名義、費用、保証、入居日が決まったら、本人が理解できる言葉で説明し、質問を受け付けます。育成就労の準備では、施行前の資料に基づく確認であることを整理し、必要に応じて公式資料を再確認します。

契約書、見積、保証関係の資料、管理会社の連絡先を保存し、鍵の受渡しや設備の確認を次の担当へ引き継ぎます。未確定の点には、担当と確認期限を付けておきましょう。

出典・確認先

作業表は実務上の整理例です。制度固有の住居条件や本人の費用負担は、各制度の公式資料・適用時期と担当窓口で確認してください。資料ごとの確認日は以下に記載しています。

  1. 国土交通省|賃貸住宅標準契約書

    2026年9月12日確認。保証会社型・連帯保証人型の契約モデル。使用が義務づけられた書式ではありません。

  2. 国土交通省|外国人の民間賃貸住宅への円滑な入居について

    2026年9月12日確認。契約時のチェックシート、多言語資料、家賃債務保証に関する案内。

  3. 外国人技能実習機構|技能実習制度運用要領

    2026年9月12日確認。技能実習の宿泊施設に関する確認先。

  4. 出入国在留管理庁|特定技能運用要領

    2026年9月12日確認。特定技能1号の住居確保支援に関する確認先。

  5. 外国人技能実習機構|関係法令・育成就労運用要領等

    2026年9月12日確認。育成就労の施行前準備に使う公式資料。

  6. 出入国在留管理庁|育成就労制度Q&A

    2026年9月12日確認。2027年4月1日の運用開始と経過措置の確認先。

  7. 国土交通省|入居審査必要書類チェックシート

    2026年9月13日確認。日本語部分で本人確認・勤務先・収入の資料例を確認。記載資料すべてを一律に提出する意味ではない

  8. 国土交通省|外国人の言語対応サポートを行っている登録家賃債務保証業者一覧

    2026年9月13日確認。対応事業者を探すための公式一覧。掲載会社の推薦や審査通過を保証するものではなく、対応言語・地域・契約条件は各社に確認してください。

  9. 出入国在留管理庁|1号特定技能外国人支援に関する運用要領(別冊)第3章・住居と生活契約の支援(14〜17ページ)

    2026年9月13日確認。別冊は2025年4月1日版。14〜17ページの支援方法、居室と例外、保証料を照合。

  10. 外国人技能実習機構|技能実習制度運用要領 第4章(2026年4月1日改正版)

    2026年9月13日確認。2026年4月1日改正版、108〜111ページの宿泊施設・見取り図・旧制度施設の取扱いを照合。

  11. 外国人技能実習機構|育成就労制度運用要領 第4章(2026年8月5日改正版)

    2026年9月13日確認。2026年8月5日改正版、4-92〜4-95ページ。施行前の住居準備に用いる資料。

情報の確認・訂正に関する編集方針

実務資料

確認事項を、手元に残す。

担当と確認日を記入できる、A4・3ページのPDFです。

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