「在留カードはまだないのに、申込みに必要と言われた」「会社が契約する場合も、本人の書類は要るのか」。外国人社員の賃貸に必要な書類を準備するときは、本人と社内への依頼が重なり、何からそろえるか迷いがちです。入居予定日までに間に合うかも気になるところでしょう。

まず契約名義と入国・就業の時期を伝え、申込先の指定書類を、本人・会社・取得時期で分けるのが基本です。全国共通の一式を集めるのではなく、未取得の資料は代替の可否と追加期限を確認します。

書類の用途、法人契約の担当分担、原本とコピーの違いを整理すれば、誰に何を依頼するかが明確になります。提出のやり直しを減らすために、確認表と照会文を活用してください。

外国人の賃貸申込に必要な書類

外国人社員の賃貸書類は、本人確認、勤務先との関係、収入の見込みに分けて準備します。必要な書類は申込先の指定で決まるため、収集を始める前に提出リストを受け取ってください。

本人の身元を示す書類

本人確認では、パスポートや在留カードなどが書類の候補です。国交省の入居審査必要書類チェックシートも、必要な欄を選んで提出する形式になっています。

会社の担当者は、本人が今持っている資料を聞き、申込先に書類名と提出範囲を確認してください。「ビザのコピー」という依頼だけでは、査証のページと在留カードのどちらを指すか曖昧です。外務省の案内が区別するように、査証と日本での活動等を定める在留資格は別のものなので、同じ書類として扱わないようにしましょう。

勤務先との関係を示す書類

勤務先との関係を示す資料は、本人に集めてもらう部分と、会社が発行する部分を分けます。国交省のチェックシートには、仕事を確認する書類として勤務証明書が挙げられています。

総務へ発行を依頼する前に、申込先の指定様式、記載事項、提出期限を確認しましょう。会社名だけでなく、本人との雇用関係をどの資料で示すかが確認点です。書類について申込先から照会が来る場合に備え、会社側の連絡担当も決めておくと、本人だけに確認が集中するのを防げます。

収入と支払見込みを示す書類

収入の確認には、給与明細書や源泉徴収票などが候補になります。まだ給与を受け取っていない社員については、発行済みの給与明細を前提にせず、予定収入を確認する方法を相談してください。

国交省のチェックシートには、これから仕事を始める人向けの給与支払予定の証明もあります。ただし、雇用契約書や内定通知書だけで必ず代替できるという意味ではありません。提出先が受け付ける書類と形式を確認してから、経理・人事へ依頼する進め方です。

表は横にスクロールできます。

依頼の対象発行・収集前に聞くこと会社内の準備担当
本人確認必要な資料と面、現在持つ資料で足りるか本人との連絡担当
勤務の証明指定様式、記載事項、発行日の条件証明書の発行担当
収入の証明対象期間、就業開始前に使える証明方法給与・人事担当

国交省の区分を基に、会社内での依頼先を加えた表です。必要な欄に印を付けて使い、指定されていない書類まで一括で求めないようにしましょう。

法人契約の必要書類と社内の担当

法人契約では、会社の証明書、実際の入居者の情報、契約手続をする担当者の確認を分けて用意します。入居者の資料の要否は、会社の書類とは別に申込先へ確認してください。

法人の実態を示す証明書

会社の証明書は、申込先の法人向け書類リストを受け取り、総務・経理などに発行を依頼します。取得する前の確認事項は、必要な種類と発行日の条件です。

具体例として、URの社宅向け手続案内は、法人事業者に登記簿謄本、印鑑登録証明書、法人税の納税証明書などを挙げています。これはURの条件で、上場企業等では区分も異なります。民間物件へそのまま一式を提出せず、その物件で必要な会社資料を指定してもらってください。

入居者と契約担当者の確認

法人名義の申込みでも、誰が住み、誰が契約手続を行うかを申込先へ伝えます。借主、入居者、手続担当者には、それぞれ異なる確認があるためです。

URの法人向け案内でも、窓口来所者と契約名義人の関係を確認する資料が示されています。社内では、入居者の資料は本人との連絡担当、会社の証明書は発行担当、契約の決裁は権限を持つ担当へ振り分けましょう。本人契約と法人契約のどちらにするかが未定なら、先に社宅・住居ガイドの契約名義の整理で役割をそろえてください。

申込時と契約時の提出物

入居審査に出す書類と、契約時に提示・提出するものは別欄で管理します。URの必要書類案内も、本申込と契約の手続を分けて掲載しています。

申込先には、審査前に必須のもの、結果が出てから用意するもの、契約当日に持参するものを確認してください。押印や署名の方法、本人や担当者の来所が必要かも、この時点で照会する項目です。申込受付、審査結果、契約締結、鍵渡しの予定を分けて残し、書類を送った日を入居確定日として社内共有しないようにしましょう。

入国前後で変わる書類の準備

入国前や就業開始前は、本人がまだ取得できない書類があります。現在出せる資料と、取得後に追加する資料を分け、申込先と提出時期を決めてください。

入国前は未取得書類を区別

入国前の申込みでは、在留カードなど入国後に得る資料の提出時期を確認します。未取得の理由が未交付なのか、紛失なのかという区別も確認事項です。

入国直後にも在留カードが後日交付となる場合があります。渋谷区の国外転入案内にも、在留カードが後日交付になる人の取扱いが示されています。

旅券の後日交付の記載で申込みを進められるか、追加資料がいつ必要かは貸主・保証審査の窓口に尋ねてください。住民登録の手続で使える資料が、民間賃貸の審査で代替として認められるかは、別の確認です。

就業開始前の給与予定の証明

初回給与の支払い前なら、勤務先が発行できる予定収入の資料と、申込先の受付条件を照らします。持っていない給与明細を本人に求め続けるより、発行可能な資料を具体的に伝える方が手続を進めやすいためです。

照会時は「初回給与の支払い前ですが、勤務先の給与予定額の証明で確認できますか。指定様式と記載事項を教えてください」と伝えましょう。

URの案内には採用から1年未満の人に関する指定書類もありますが、その期間や書式はUR固有の扱いです。他の物件にも同じ条件を当てはめず、回答を受けてから発行を依頼しましょう。

住民票は記載項目まで指定

住民票の写しは、必要な人の範囲、記載項目、発行日の条件を申込先に確かめてから取得します。「住民票を取ってください」という依頼だけでは、必要な在留情報などが省略されるおそれがあります。

URでは個人番号を記載しない住民票などの条件を案内していますが、提出先ごとの確認が必要です。世帯全員か本人だけか、続柄や在留情報が必要か、原本を出すかも合わせて聞いてください。

「住民票の写し」は自治体が交付する証明書の名称です。自宅でコピーした紙でもよいと受け取らないよう、本人への依頼文に提出形式を添えましょう。

賃貸書類の提出方法と不足時の確認

提出前には、必要な書類名だけでなく、原本かコピーか、含める情報、提出先と期限まで確かめます。本人の書類を会社が取り次ぐ場合も、申込先の指定と本人への説明をそろえてから送ってください。

原本の提示と写しの提出

原本を見せる手続と、原本またはコピーを相手に提出する手続は区別します。URの必要書類案内でも、書類によって提出形式を使い分けています。

担当者は「当日に原本を持参」「原本を提出」「コピーを提出」のどれかを一覧へ記入しましょう。全て両面のカラーコピーといった独自の指定は加えず、必要な面や写す範囲を申込先に確認してください。

本人が印鑑を持っていない場合には、契約時の署名や代替手続の扱いも確認する項目です。別の物件で認められた方法が、そのまま使えるとは限りません。

個人番号を含めない提出範囲

住宅申込の本人確認に使う資料は、個人番号を含めない範囲に絞ってください。個人情報保護委員会の本人確認書類のコピーに関するQ&Aは、マイナンバーカードの表面と、個人番号のある裏面の取扱いを区別しています。

2026年6月からは、在留カードにマイナンバーカードの機能を付けた特定在留カードも導入されています。渋谷区の案内が、制度の概要を確認できる資料です。一律に両面提出を求めず、在留情報の確認に必要な面と、番号を含めない提出方法を窓口へ確認してください。

税務・給与のため社内にある書類一式を、不動産会社へそのまま転送しないことも基本です。本人には提出先・目的・方法を伝え、閲覧者を絞った保管先を使いましょう。

不足書類の期限と回答の記録

不足書類は、代替資料の可否と追加の期限を別々に確認します。代わりの資料を出せるという回答だけでは、いつまでに本来の書類を出すのかが残るためです。

入国前なら「在留カードは未交付です。現在提出できる資料と、追加資料が必要な時点を教えてください」と照会する方法があります。次の記録例を使い、本人・会社の作業を整理しましょう。

保証審査が別にある場合は、物件の窓口と保証会社で指定が一致しているかも確認してください。

表は横にスクロールできます。

書類の状態申込先への確認残す情報
未取得代替の可否、追加提出が必要な時点指定された資料、期限、準備担当
発行待ち現在の審査を進められるか発行予定、連絡担当、回答日
提出形式が不明原本・コピー、面・記載項目、提出方法確認先、指示内容、送付先

書類の提出と並行して、受入れ準備ガイドで契約・鍵渡し・入居の予定を確認してください。書類が揃ったことと、審査・契約が完了したことは区別して共有します。

まとめ

外国人社員の賃貸書類は、本人確認・勤務・収入の用途と、本人契約か法人契約かを分けて準備します。入国前や初回給与の支払い前には、まだ持てない書類があるため、代替資料の可否と追加提出の期限を先に確認してください。

原本の提示、写しの提出、個人番号を含めない範囲も申込先の指定にそろえます。まず、借主・入居者・入国日・就業開始日を一枚にまとめ、物件の窓口へ必要書類と提出時期を照会しましょう。その回答を基に、本人と社内の担当へ依頼できます。