準備を始めるときは、まず「誰を・いつ・どの住居へ迎えるか」を一枚にまとめます。人数や日程の変更があった場合も、同じ記録を関係者で更新すると、物件・費用・生活準備の食い違いを見つけやすくなります。
1. 対象制度と入居までの日程を確認する
最初に、受け入れる人の在留資格、人数、入居予定日、就労開始日を整理します。物件探しを始める前に、どの制度の資料で住居や費用を確認するのかを決めておくと、後の確認漏れを減らせます。
育成就労は2026年9月時点では運用開始前です。施行日前申請の準備と、現在の技能実習・特定技能による受入れを混同せず、技能実習の経過措置に関わる場合も公式Q&Aを確認します。
- 対象制度と確認に使った資料名を記録する
- 入居日・就労開始日・手配の期限を並べる
2. 本人の希望と暮らしの条件を聞く
勤務先までの移動方法や所要時間に加え、同居人数、買物のしやすさ、必要な家具・通信環境を確認します。企業側の都合だけで候補を絞らず、本人が希望する生活や気になる点も聞き取りましょう。
やさしい日本語や本人が理解できる言語を使い、譲れない条件と調整できる条件を分けます。本人への説明を誰が担当するかも、この段階で決めておきます。
3. 関係者の担当と確認先を決める
企業の人事・総務、不動産会社、監理団体や登録支援機関など、関わる相手を整理します。物件紹介、契約書類、費用の確認、入居時の説明を誰が担当するか、相手と確認して一覧にします。
制度固有の住居条件は、対象制度の運用要領と担当窓口で確認します。特定技能1号では住居確保や生活に必要な契約に関する支援の確認も必要です。
次の表は担当分担の例です。自社と関係者の契約・支援計画に合わせ、作業ごとに主担当を一人決め、確認先と期限を記入してください。
表は横にスクロールできます。
| 作業 | 主担当として決める相手の例 | 確認先 | 記録すること |
|---|---|---|---|
| 日程と人数をまとめる | 人事・総務 | 採用担当・本人 | 入居日/就労開始日/人数/変更連絡先 |
| 住居条件をそろえる | 人事・総務と支援担当 | 本人・不動産会社・制度の担当窓口 | 通勤/同居人数/設備/確認資料名 |
| 物件と契約を手配する | 契約手続きを進める担当 | 貸主・管理会社・保証会社 | 契約名義/必要書類/提出期限 |
| 支出と費用説明を準備する | 総務・経理と支援担当 | 見積発行者・労務担当 | 支払日/支払者/本人への説明日 |
| 鍵と生活の開始を確認する | 入居当日の担当 | 管理会社・各契約先・本人 | 鍵/設備/開始日/未完了事項 |
- 作業ごとに担当・確認期限・連絡先を記入する
- 各作業の担当者名・期限・返答待ちの相手を記入する
- 未完了事項は『担当/次に行うこと/回答期限』の3点で引き継ぐ
4. 契約・費用・設備を順に確認する
法人契約か本人契約かを確認し、物件の入居条件、保証の条件、必要書類を不動産会社へ確認します。見積は初期費用と毎月の費用を分け、企業予算と本人に説明する負担案を別々に整理します。
その後、家具・家電、鍵、電気・ガス・水道・通信の開始日を確かめます。制度の条件と物件の契約条件は、両方を確認する項目として管理します。
候補物件が見つかったら、契約名義と必要書類を整理します。
外国人社員の社宅・法人契約と保証の確認手順 →
見積を受け取ったら、支出の時期と支払者を分けてまとめます。
会社の住居予算と本人負担を整理する手順 →
書類の依頼を始める前に、申込先の指定と社内の発行担当を確認します。
外国人社員の賃貸書類を本人・会社・取得時期で整理する →
5. 技能実習生の寮の備品と準備担当を決める
この項目の情報確認:
技能実習生の寮では、宿泊施設の制度条件を先に確認し、そのうえで生活用品の不足を埋めます。採暖・冷房や個人用収納などの条件と、寝具・食器などの品目例を分けて準備しましょう。
下表は生活用品を検討するための例です。全品目を一律に購入する義務を示すものではありません。入居人数、備付け設備、本人の持参品と希望を確認し、数量・用意する人・引渡し日を決めます。
購入品か貸与品か、故障時の連絡先、退去時の返却方法も記録します。表にある品目だから本人へ請求できるとは限らないため、会社費用と本人負担は別に確認してください。
表は横にスクロールできます。
| 使う場面 | 品目の例 | 準備前に確認すること | 記録すること |
|---|---|---|---|
| 眠る | 布団・枕・シーツ | 本人の持参品、寝室の使い方、季節に合う寝具を確認する | 人数分の数量、準備担当、引渡し日 |
| 食べる・調理する | 冷蔵庫・炊飯器・調理器具・食器 | 備付け設備、共用人数、本人の食事の取り方を確認する | 必要な品目と数量、設置場所、購入又は貸与の扱い |
| 洗濯する | 洗濯機・物干し用品・洗剤 | 利用できる洗濯設備、干す場所、物件の使用条件を確認する | 共用品の有無、不足品、使い方を説明する担当 |
| 掃除・ごみ出し | 掃除道具・分別用のごみ箱・ごみ袋 | 物件と自治体の分別方法に合う用品を選ぶ | 設置場所、最初に用意する人、補充方法 |
| 部屋で過ごす | 照明・カーテン・テーブル | 備付けの有無、窓や部屋の寸法、生活動線を確認する | 不足品、設置担当、動作・取付け確認日 |
| 連絡・インターネット | 利用環境に合う通信機器 | 既存回線の有無、本人の希望、入居日に使える方法を確認する | 契約・設定の担当、残る手配、問い合わせ先 |
参考:外国人技能実習機構|技能実習制度運用要領 第4章(令和8年4月1日改正版)
面積・収納・冷暖房・衛生設備の条件を先に確認します。
技能実習の宿泊施設に必要な設備条件 →
通信の契約・工事・開通確認を整理します。
社宅の光回線を会社で手配する確認表 →
備品の費用負担は制度・契約・説明内容と照合します。
会社費用と本人負担の分け方 →
6. 入居時の説明と入居後の確認を予定する
入居当日は費用、設備の使い方、生活ルール、困った時の連絡先を説明します。渡した資料だけで完了とせず、本人が質問できる時間を設け、残る不安や対応事項を記録します。
契約書、見積、説明記録の保存先を決め、入居後の確認日を設定します。準備チェックリストには、確認済みの項目と未決事項を分けて残しておきましょう。
入居当日に使う説明内容と連絡先を用意します。
入居説明と社宅の生活ルールのチェック項目 →
住居が決まった後は、本人の状況に応じた役所での届出も予定に入れます。
外国人の住居地届出の期限と必要書類 →
出典・確認先
作業表は実務上の整理例です。制度固有の住居条件や本人の費用負担は、各制度の公式資料・適用時期と担当窓口で確認してください。資料ごとの確認日は以下に記載しています。
- 出入国在留管理庁|育成就労制度Q&A ↗
2026年9月12日確認。運用開始時期、施行日前申請、技能実習の経過措置の確認先。
- 外国人技能実習機構|技能実習制度運用要領 ↗
2026年9月12日確認。技能実習の宿泊施設・費用に関する確認先。
- 出入国在留管理庁|特定技能運用要領 ↗
2026年9月12日確認。特定技能1号の住居確保・生活契約支援に関する確認先。
- 外国人技能実習機構|関係法令・育成就労運用要領等 ↗
2026年9月12日確認。育成就労の施行前準備に使う公式資料。使用時に最新版を確認してください。